日本から紙幣がなくなる?CBDCのメリットと方向性
進むキャッシュレス化!中央銀行のデジタル通貨が及ぼす変化とは
草津温泉で「湯けむりPayPayキャンペーン」で紹介しましたが、近年海外主要国を追いかけるように日本もキャッシュレス化が進んでいます。
キャッシュレス化の流れにともない、アメリカや中国などの経済主要国では中央銀行におけるデジタル通貨(CBDC)に関しての研究や取り組みが進められています。
今回はCBDCとはなにか、わたしたちの生活にどのような影響があるのかについて紹介します。
世界中が注目するCBDCとは?日本におけるデジタル通貨の3つの定義
CBDCとは「Central Bank Digital Currency(中央銀行発行デジタル通貨)」の頭文字で、日本銀行のような中央銀行が発行している紙幣や硬貨をデジタル化したもののことです。
日本銀行のホームページには、CBDCは以下の3つを満たすものと定められています。
(1)デジタル化されていること
(2)円などの法定通貨建てであること
(3)中央銀行の債務として発行されること
CBDCの研究は2019年から活発になりはじめました。
同年6月にFacebook社が発行計画を発表した民間主導のグローバル通貨「Libra(リブラ)」がきっかけです。
Libraは送金や借入時のATMの手数料がかからず、安価でかつ容易なアクセスが期待されていました。
そのためLibraは多くの人々から注目されましたが、金融システムの安定性やガバナンス面に課題があり、開発は延期となりました。
しかし、Libraの開発をきっかけに、デジタル通貨の時代の到来を察知した各国がCBDCへの研究に取り組みはじめました。
CBDCの3つのメリットと課題
CBDCを導入することで、銀行や企業だけでなく、利用者に対してもさまざまなメリットがあります。
・銀行やATMにかかるコストの削減
貨幣のデジタル化により、今まで銀行やATMにかかっていた現金の輸送や保管コストの削減、ATMの使用減少にともなう設備コストの削減ができます。
・脱税・マネーロンダリングの防止
オンライン上で管理されるのでお金の流れが透明になり、脱税やマネーロンダリングの防止につながります。
・現金紛失リスクの低下
貨幣を持ち歩く必要がなくなるため、財布を落とすなど現金を紛失するリスクが低下します。
CBDC導入には多くのメリットがありますが、課題もあります。
・安全度の高いセキュリティの構築
個人の資金の流れがすべて管理されるため安全度の非常に高いセキュリティの構築が必要です。
・停電時の対応
停電時など、通貨が使用不可となった場合の対応を解決する必要があります。
・規制の緩和
デジタル化した口座への金利をどうするか、中央銀行が通貨の発行・流通に加えて決済まで参入するかなど、税制や中央銀行の役割範囲について協議する必要があります。
さいごに
日本銀行も2020年1月に5つの国や地域の中央銀行と国際決済銀行とともに「CBDCの活用可能性の評価に関する知見を共有するためのグループ」の設立を発表し、CBDCの活用法や技術に関する研究をはじめました。
日本ではキャッシュレス決済の信頼度に不安を感じている人も多く、ほかの先進国に比べキャッシュレス化が遅いといわれています。
しかし、日本の中央銀行である日本銀行がCBDCを発行することで、キャッシュレス化は加速していくでしょう。
キャッシュレスがあたり前になることによって、新たなシステムの開発・導入が進み、日本のIT・AIなどの技術レベルの向上、設備投資にも繋がると期待されています。
S-Collection株式会社もさまざまな時代変化に対応しながら、多くの人々に貢献できるよう走り続けます。