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AIが解決する教育現場の課題

AI導入により見える教育現場の光

近年、少子高齢化の影響から、日本の労働市場では人手不足が叫ばれています。
そのようななかで、この問題の解消にむけてAIの導入が多くすすめられています。
AIはデータに基づいた単純作業や、人にはむずかしい分析などを得意としているので、
AIに仕事を任せることで人の手が必要だった仕事を少なくすることが期待されます。

人の手を減らすためにAIを導入・検討している企業は多く、もちろんこれは民間企業に限った話ではありません。公的機関においても同様に働き手が不足しはじめており、特に顕著に現れているのが教育現場です。
2017年4月におこなわれたNHKの調査によると、都道府県と政令指定都市、合わせて67の教育委員会のうち半数近い32の教育委員会で、少なくとも717人もの教員が不足していました。

今回は教育現場における人手不足の原因と、その解消に注目されるAIの導入の取組について紹介していきます。


教育現場の人手不足の理由!


教育現場の人手不足の大きな理由のひとつに労働環境があげられます。
特に日本の場合は、労働時間の超過が大きな問題となっています。
サービス残業や持帰りでの仕事が多く、そこに部活動をはじめとする課外活動の指導が加わり、労働時間が大幅に増えています。
このような労働状況から「教育現場はたいへん」といったイメージが付きやすく、優秀な人材が離れてしまう原因のひとつとなっています。

こういった状況は日本だけではなく、世界でも同じ問題がでています。
国際労働機関(ILO)は、教員の労働環境を改善するために必要な項目として、以下6つの対策をあげています。

1.適切な人員配置を行うこと

2.十分な給与と福利厚生を提供すること

3.教員が対応するクラスの規模が適切であるか見直すこと

4.教室(働く場所)の環境を整備すること

5.継続的な成長のため、研修やトレーニングの機会を提供すること

6.教育に関する政策議論に教員を巻き込むこと

これらの対策の重要性は理解できますが、実際はこれらの対策に取り掛かる時間的・経済的・人的余裕がないというのが現状です。まずはこれらの対策が行える環境を整える必要があります。そのためにも、教員が持っている大量の業務を分類し、「特に重要な業務」に集中できる環境を整えることが急務です。

先述のとおり、教員の業務のなかにもAIが得意とする業務がいくつもあり、AI導入により教員の負担が減少すると期待されています。

ここからはすでに教育現場への導入が開始されているAIシステムについて紹介していきます。

 

AIが救う教育現場!

 

ひとつ目の事例は「AIによる採点システムの導入」です。
中国では6万校もの教育機関でAIの採点システムを導入しています。
このシステムではマークシートのような単純な採点ではなく、論文など文書の採点が可能であり、このシステムを導入したテスト採点ではAIと人間の教員が出した成績は、92%の確率で同じだったようです。
こうした採点システムの導入は日々の大量の採点業務に忙殺されている教員の大きな手助けとなっています。
また、日本でも日本英語検定協会(英検協会)が2019年度からAIを活用した自動採点を順次導入しており、従来どおりの人による採点と組み合わせて、精度向上や時間短縮を目指すなどAIによる採点システムの導入が日本でも進んでいます。

ふたつ目の事例は「AIによる学習評価システムの導入」です。
先述の労働環境を改善する対策でもあったように、現在の教育現場は「生徒の人数に対して教員の人数が少なく、生徒ひとりひとりにあった教育をすることがむずかしい」という状況にあります。
しかし、AIを導入することで、生徒が「どこでつまずいたのか」「なぜつまずいたのか」「どうすれば解消できるのか」など過去の膨大な教育データから瞬時に把握することができ、教員は最小限の労力で生徒ひとりひとりへ適切なアドバイスをすることが可能となります。
日本では、教育現場にAIを導入している学校はまだ少数ですが、大手学習塾などではすでにこのような学習評価システムが導入されはじめています。

ここまで見てきたようにAIと教員が役割を分担し、生徒ひとりひとりと向き合える時間を増やすことで教員にとっても生徒にとってもよりよい教育現場へと変化していくことが期待されます。AIの導入がイメージされにくい教育業界ですが、AIが縁の下の力持ちとなることで、教師にも生徒にも大きなメリットを与えることができます。

S-Collection株式会社も、最新の技術を取り入れ、お客さまに喜ばれる最適なサービスを提供する会社であり続けます。