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人工知能は小説家の夢をみるか?

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人間だけじゃない!AIがクリエイティブな業界に進出する時代へ!

昨今、人工知能(AI)がチェス、将棋の世界で人間に勝利したというニュースは記憶に新しいと思います。
また、AIが人間の職を奪うと予想されるなど、なにかと話題に上がることが多くなりました。
そんなAIが、ついにクリエイティブな業界にも進出を果たしました。
AIが小説を書き、さらにその作品が星新一というショートショートのSF作家の賞の一次選考を通過したといいます。

AIが書く小説はおもしろいのでしょうか。
小説の分野でも人間を圧倒していくのでしょうか。
今回はSF作家の視点を踏まえながら紹介します。

1. AIが小説を作成するまでの流れとは?

AIはどのように小説を書いているのでしょうか。

はじめて取り組まれたときは、すでに存在する文章の一部を変えて、新しい文章をつくるという方法でした。
しかし、この方法はコピペと大差がなく、味気ない文章になってしまうという問題がありました。
それを改善するために、文章の構造と合うような言葉を選択して小説を生成する方法へ変更しました。
具体的には、人間が物語の大筋を書き上げ、そのストーリーのあらすじに沿う言葉を用意します。
それを組み合わせることで自動小説生成が行われます。

プロットには、人狼ゲームをAIがプレイした結果のゲームログが使用されました。
それをもとに人間が小説の作成に必要な文章を追加し、AIがプロットに合わせて組み合わせることで小説が完成します。
上記の方法により、人間が書く小説に近い文章を作成することが可能となり、2016年の星新一賞の一次選考を通過するに至りました。

2. SF作家が語る、AI小説の欠点について

AI小説の一番の課題は、AIが必要とする試行回数を稼げないことです。

SF作家の藤井太洋氏は「AIは非常に優秀な統計マシーンでしかありません。囲碁や将棋など何度も試行が可能な分野では人間に勝ります。しかし、小説で有意な試行回数を稼ぐことはむずかしいでしょう」と話します。
その理由は、「小説のおもしろさが外部に現れるのは市場だからです」とのことです。

つまり、売れる文章、売れるキャッチコピーを事前にデータ化し、それらをAIに繰り返し試行させる必要があるということになります。
星新一賞の一次選考を通過したのも、星新一の小説データをAIに記憶させ、何度も試行させたことが理由として挙げられます。

AI小説には、まだまだ課題が山積みです。
しかし、課題があるということは、それらを改善することでよりよい作品がうまれることを意味します。
今後もさらなる発展が予想されるAI小説に注目です。